今後グローバルな経営をやっていくうえで、いままでどおりの短期的なものの見方ではいけない。先ほど出てきたステイクホルダーの方たちの尊重と、しかしバランスをどう取っていくか。そのときに一番大切なのは、いかにコミュニティとともに生きていくか、共生していくか、そして社会の中でなくなてはならない存在になるかです。社会にとってなくてはならない存在になれば企業の価値は上がる。それがゆえに利益は上がり、それがゆえにリターンとして株主さんに戻ってくるという考え方です。そして社会に評価される。だから、社員がプライドを持っている。 一方で、経済合理性も大変重要です。そこで本業を一生懸命徹底し、社会に認められ、しかしやはり収益性をきちんと担保する。チャレンジ、イノベーション、中長期に数値的なROE、またはROICを上げていくことの両方が大変重要ではないか。両方できて、企業価値が持続的に向上していく。 大切なのは、無限資源の資本主義から有限資源の資本主義に変わったことだと思います。無限、いくら電気を炊いてもいくらでもエネルギーはある。そういうところから、有限である、みんなでシェアしなければいけない、コミュニティとシェアしなければいけない。リーマンショック以降、より一層、そういうことが重要になってきているのではないかと思います。 今後、グローバル経営をして行くうえで当たり前のことですが、どうも忘れてしまった欧米のファンド資本主義から、ぜひとも社会に認めていただく、企業が社会との共生を目指す、新しい、どちらかというとアジア的、徳を積んで社会とともにといった経営を目指していくべきではないかと思います。 |