主な観点
対話が互いの差異を乗り越える
杜維明 長江商学院人文委員会主席、ハーバード大学終身教授
対話は多くのレベルにおいて、そして多方面で行われるべきです。現在の対話はほとんどが政治の分野です。企業においては当然ながら競争はありますが、同時に協業があります。しかしながら、率直な対話が出現しておらず、学術界も、民間レベルもまだ足りません。対話の最も基本的な条件は許容であります。許容があってはじめて、互いに認め合うことができ、互いの価値を認めることができます。認めることができれば、はじめて互いを尊重することができ、尊重があれば、高いに学び合うことができます。互いに学び合い参照し合うのと同時に、互いの差異を認めることができます。この差異という基準の下、共同点を探し求め、そして更に発展ができます。西洋の人類中心主義と比較し、アジア、特に儒教文化圏である中国と日本は、文化資源が非常に豊富でありますが、我々はその存在を無視してきており、長きに渡り、西洋から学ぼうとしています。アジアは互いに自己の文化を理解するという基本において、まだ始まったばかりであります。政治、学術、メディアの各方面も、これに続くべきです。もし続くことができれば、我々は新たな人文主義を見ることができるでしょう。